9月10日(火)にプロジェクトの一環として、肝炎の話、そして若者を中心に感染が拡大している「梅毒」などの性感染症について、香川県内の大学生と性感染症の対策を広く啓発していくにはどうすればよいかについて、「PR方法」と「キャッチコピーを決める」の2つのテーマでディスカッションをしました。
香川県中讃保健所の医師 香西 勝平(こうざい しょうへい)氏は、冒頭で肝炎の説明をしました。
実際に香川県で起きた事例として、70歳代の男性が肝炎と診断されてから約2年で死亡したという事例を紹介し、ウイルス性肝炎から肝臓がんになるプロセスの話をしました。「香川県は全国と比較しても検査数がワースト4位と検査率が低くなっています。早期発見・早期治療の為にも、無料で受けられる肝炎ウイルス検査を受けてください」と学生に語りました。
次に梅毒の説明では感染者の傾向を話しました。「令和5年の実績からみると、男性の傾向としては20代から50代に幅広く発生し、最も多いのは30代。女性の傾向としては20代から30代が多く、最も多いのは20代になる」と話しました。性別に限らず言えることは、「昔と違って性風俗従事歴もしくは利用歴“なし”の感染が増えている」ということです。このことから「性行動のあるすべての年代に対して早期発見・早期治療の推進が必要」と訴えました。
香西氏は、「風俗が一番真っ先に頭に浮かぶ人も多いと思いますが、そうではない場合も多い。特に女性は関係ない人の方が多い。今はSNSでの交流、マッチングアプリも多くありますので、若い世代を中心に広がっているのは、不特定多数の人と出会える機会が昔よりも増えているということが1つの原因と考えている」と説明されました。
香西氏は、ディスカッションに入る前に学生に向けてヒントとなると話をしました。
「1次予防はそもそも感染しないようにすること。2次予防はかかってしまった後、早く治療すること。3次予防はまたかからないようにすること。梅毒は一度治療して治っても、免疫ができることはないので何度もかかる可能性があります。こういった視点で分けて考えると、考えやすくなるかもしれません」と伝えました。
香西氏は、「県の保健所では、無料かつ匿名で検査を受けられるが、まだ知られてない場合も多い。
今日皆さんに力を貸してもらいたいのは、どのような媒体をどう使って、どのように検査を受ける人を増やすか、アドバイスをください」と話しました。
<性感染症になる原因>
<PR方法>
<キャッチコピー>
学生を代表して島田さんは、「病気の啓発活動などは、出張講座や授業でもあったりする。
ただ性感染症については中々ないことなので、若い人たちが中心となって考えることが重要であると思った。そして多く活用されているSNSやアプリで発信したり、性感染症に関わる映画を作ったりすることで、若い人たちが興味を持つと思うので効果的だと思う」と話をしました。
香川氏は、「専門の人から正しい知識を聞く機会が若い時から増えてほしい。そしてその場で意見交換ができる環境が増えると、自分事として捉えられるようになるのではないか」と話をしました。
また「自分を愛して、自分と向き合うことを大切にしてほしい」「学生の皆様は発信力があるので、どんどん周りの人に伝えてほしい」と訴えました。
米国を拠点に活動しているダンサーのMaasa氏は、アメリカと日本の違いについて「日本では偏見が大きいので、恥ずかしい、相談ができない、ということが当たり前になっていて、知識も共有できる環境が少ない」と話をしました。
「健康一番プロジェクトのサポーターとして思うことは、実際に性感染症、AIDSになった人に話をしてもらうことで、リアルな情報が発信されるべきだと思う。そして今日学生の皆さんと話し合い、出たアイデアを形にしていくことが使命だと思っている」と語りました。
■参加した学生へのアンケート(一部抜粋)
あなたは、今日のイベントに参加する前から、梅毒がどのような病気か知っていましたか?
今回のイベントに参加して、梅毒についての理解が深まりましたか?
催事名:
肝炎・性感染症啓発ディスカッション in 香川大学
日時:
2024年9月10日(火)
開催場所:
香川大学三木町医学部キャンパス 講義実習棟
出席者:
モデル 香川沙耶 氏
「健康一番プロジェクト」サポーター Maasa 氏
香川県中讃保健所 医師 香西 勝平氏
香川県内の大学生10名